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【電竜戦】人間・AIタッグの戦略性と将来性

世界将棋AI 電竜戦とは?

電竜戦とは、コンピュータと人間が参加できるオンラインの将棋大会です。『世界将棋AI』という名称からは、コンピュータだけが対戦するように思えますが、人間も参加できるところが面白いところです

つまり、人間とコンピュータの対戦も行われるわけです

詳しくは、以下の動画をご視聴ください!

本大会に参加していたソフトは、人間の初心者~トップ棋士を超えるレベルまで幅広く揃っていました。特に、上位陣はレートに換算するとR4000を超えているので、人間では歯が立ちません。人間のトップはせいぜいR3000程度になります。

そこで、本大会では、新しい参加形式である『人間・AIタッグ』が設けられていました。この言葉、チェスでも聞いたことありませんか?人間とAIが協力することによって、お互いの弱点を補完し合える可能性があります。

例えば、電王戦の阿久津主税八段vsAWAKEのでは、ハメ手であっさり終局しました。純粋な実力勝負では人間が負けてしまうものの、人間はソフトの弱点を突くことができます。その後にソフトにバトンタッチして勝ち切るという構図が、人間・AIタッグの理想的な戦略でしょう。それを考慮した戦略が以降に出てきますので、読み続けてください!

人間・AIタッグの戦い方

人間・AIタッグとは、人間が将棋ソフトの手を参考にしながら対局するということです。俗に言う、〇〇〇指しですね…笑。

例えば、将棋ウォーズは基本的に人間が対局しますが、棋神ボタンを押せば、5手だけコンピュータが自動で指してくれますよね?それと同様に、いつでも将棋ソフトの力を借りることができるのです。

とはいえ、「対局における着手」と「ソフトで検討する操作」は対局者が手動で行うので、決して楽ではありません。さらに、本大会では、「持ち時間が10分・1手指す毎に2秒追加」というフィッシャールールが採用されていたので、ソフトの手を参考にしすぎると時間が大幅に減っていきます。

そこで、正確性と速度のバランスを考える必要があります。どこまで人間が指して、どこからソフトにバトンタッチするのか。途中からは、単純にソフトに丸投げしてしまうのか。これに関して、人間・AIタッグでの戦い方をまとめました。

①局面ファイルの準備

ソフトがよく指す戦型の、局面ファイルを作っておきます。

これにより、ソフトへのバトンタッチの時間を短縮することができます今回の電竜戦では、相掛かり角換わり腰掛け銀が多かったので、それらの局面ファイルを準備しておきました。局面ファイルのおかげで、定跡を離れたところで即座に現局面を編集することができます。

②序盤は自力でノータイム指し

序盤では、人間がノータイムで指します。

フィッシャールールでは、ノータイムで指していれば持ち時間を増やすことができます例えば、相掛かりでは、お互い飛車先を交換して中住まいに組むまでは自力で指して、2秒ずつ稼いでいました。この時間の貯金が、ソフトの思考時間に使えるわけです。

相手のソフトも定跡ファイルがあるので、ノータイムで指してきます。途中で少考してきたときは、その間に将棋ソフトで現局面を編集していました。

③分岐点でソフトを起動

手の広い局面で、ソフトを起動します。

難しい局面こそ、ソフトの力を借りて正確性の高い手を指します手の広い局面で人間が指すと形勢を損ねやすく、対ソフトだと完膚なきまで咎められます。序盤の構想であっても自力では作戦負けを招くことがあるので、時間の貯金をソフトの思考に投入します。

具体的な操作

ソフトの力を借りたい場面で、将棋ソフトで現局面を編集します。このとき、事前に準備した局面ファイルを開くことができれば、時間が短縮できます少し違っていれば編集できますし、特殊戦型の場合は初形から編集していました。

④ソフトを起動してから

候補手評価値を見て、指し手を決めるは人間です。

まず、将棋ソフトに欠かせない候補手評価値について簡単に記します。

候補手・・・ソフトが推奨する手で、最善手から最大10手まで表示させられる
・評価値・・・形勢を表す数値で、-9999(後手勝ち)から+9999(先手勝ち)の範囲で示される

「この手を指せば、形勢はこんなもんです」とソフトがアドバイスをくれる感じです。

評価値が最も高くなる候補手を、最善手として表示します。

ただし、時間をかけるほどノード数(ソフトの計算量)が増えていき、最善手が正確になっていきます

とはいえ、今回は短時間のフィッシャールールですので、研究のように深く読ませるわけにはいきません。

変化が複雑だったり、一直線の変化がある局面では、時間をかけて深く読ませ、キリのいいところで人間が決断します。

ここが、人間・AIタッグの最も難しいところで、棋力も必要になってきます。

⑤必然手は自力でノータイム指し

これしかない、という局面は人間がノータイムで指します。

序盤と同様に、無駄にソフトに頼ると時間を失います。ソフト起動後も2秒貯金を積み重ねていけば、終盤の難所でのリターンが大きくなります。逆に、残り時間わずかで終盤を迎えてしまうと、人間がかなり厳しいです。

・簡単な局面では、人間のノータイム指しで時間を貯金していく
・難しい局面では、時間の貯金を使ってソフトに深く読ませる

この2つが、フィッシャールールにおける人間・AIタッグの基本的な戦略となります。

予行演習での戦い

電竜戦には、予行演習1〜4の催しがありました。僕自身は、予行演習3・4に人間・AIタッグで参加して練習をしていました。

それが、過酷な戦いだったのです。

・持ち時間はフィッシャールールの5分+2秒
・総当たりなので、対局数が30局以上
・予行演習3は20時から翌朝の8時まで12時間の徹夜
・予行演習4は20時から翌日の14時まで18時間の徹夜

こんなのやってられますか?僕は全局指し、しかも勝率は五分五分だったのです。

人間・AIタッグでどのように戦ったのか。その戦略が最大限に生かされた対局をYouTubeで解説しているので、ぜひご視聴ください。先述のようなハメ手も出てきますよ!

2020年世界コンピュータ将棋オンライン大会で優勝した水匠との対戦も解説しています。

人間・AIタッグの戦略と徹夜で指し続けるメンタルがTwitterで話題になり、電竜戦の主催者であるカツ丼さんの記事にも取り上げられました。

電竜戦のブログ

電竜戦本戦での戦い

電竜戦本戦は二日制で行われました。予行演習のような徹夜ではなく、朝から晩までの開催でした。自身は人間・AIタッグということで、水匠と組みました。

初日は10局行い、成績に応じてA級(10位まで)とB級(11位以降)にクラス分けされます。そして、二日目は各クラスで9局行い、最終的に順位が決まります。

唯一の人間・AIタッグ、ほっしー&水匠の結果は?

初日は5勝5敗で、B級にクラス分けされました(初日の対戦表)。初戦でQhapaqという振り飛車ソフトに完敗でしたが、後半で盛り返しました。

そして、二日目はB級で7勝2敗という好成績で7位に終わりました(B級対戦表)。

 

 

開幕から5連勝スタートとなり、暫定1位に輝きました。しかし、同じく5連勝しているソフトは強豪揃いです。

6回戦の相手は・・・

 

 

 

 

 

 

W@nderERと対戦しましたが、結果は敗北でした(棋譜)。本局は、人間・AIタッグの戦い方における課題を感じさせられました。

評価値の変動

W@nderERとの対局は、人間・AIタッグの反省材料になりました。下図は序盤が千日手模様になり、検討モードで放置していると、15歩が+200と示しました。

千日手にする選択肢もありましたが、評価値を信じて仕掛けました。以降、どんどん評価値が上がっていくも、途中で互角に戻り、押し切られて負けてしまいました。棋譜ページW@nderERの評価値推移を見ると・・・

対局中の水匠の評価値と全然違う・・・

評価値はソフトの種類やエンジン設定、思考時間によって変わってきます。正しい評価値なんて人間には分かりませんし、ソフトの最善手が正しいとも限りません。藤井聡太二冠はソフト超えの手を指すとも言われるように、評価値はほんとに謎で、将棋の奥深さを感じさせます。

そして、W@nderERが終盤で神の一手を放ちました。問題図はこちら。

解答・解説が気になる方は、YouTubeで!

敗戦の分析

敗戦は、いずれも上位陣のソフトにしっかり負かされました。こちらはソフトの最善を指し続けているのに、評価値が少しずつ下がっていったり、突然ガクンと下がったりしていました。

後から棋譜ページで評価値推移を確認すると、こちらの評価値と食い違っていたのです。負けたのだから、こちらの評価値が不正確だったのでしょうか。

問題は検討モードでの思考時間かと考えています。時間を残して負けることが多かったので、もっと深く読ませる必要があったのかと思いました。

人間・AIタッグは流行する?

身近な人間・AIタッグ

今回の電竜戦では、唯一の人間・AIタッグとして参加しました。この参加形式は画期的で、戦略についても奥深いものでした。

人間・AIタッグは今後、流行するのか?

「ソフト指しは悪だ!」とか、「未来の戦い方だ!」とか言っている人たち。将棋ウォーズで棋神を使ったことはありますよね?

あれも立派な人間・AIタッグなのです。3切れはまさにそれで、決まったところは人間が早指し、難しいところであのボタンを押すことで、強力なプレイヤーになれます。

もちろん、駒を全く動かさない棋神厨は時間切れで負けますし、人力のみではせいぜい七段で止まってしまうことでしょう。

短時間の将棋では、人間とAIが補完し合う必要があり、面白いゲームとなります。電竜戦はフィッシャルールでしたので、「時間の貯金」からの「ソフトの深読み」というテクニックがあり、戦略の奥深さを感じました。

ソフト指しは見極められない

いかなる技術も悪用されることは不可避です。将棋ソフトにもそのような一面があり、俗に言うソフト指しが絶滅しません。

ネット将棋ではソフト指しが横行しており、リアルの対局でもそのような事例があります。プロの将棋界でも大きなスキャンダルがあったりと、物的証拠がないために裁くのは非常に困難です。

現状では、ソフトの指し手との一致率で判定するのですが、ソフトの研究が再現されたり、短手数で一直線の将棋であれば、一致率は必然的に高くなります。逆に、部分的にソフトを使えば一致率もそれほど高くなりません。したがって、一致率によるソフト指しの判定は非常に困難です

ソフト指しは、冤罪も野放しもあり得るのです。

そして、強ければマナーが備わっていてソフトを使わないとも言い切れません。チェスのグランドマスターや、韓国の囲碁棋士もAIを不正使用した事例があります。誰だって、ソフト指しに手を染めてしまう可能性があるのです。

最近は、コロナの影響により、将棋の大会をオンラインで開催する傾向にあります。スポーツと違って、オンラインで代替が利くのは将棋の素晴らしいところなのですが、ソフト指しの懸念が生まれます。たとえ、棋譜の一致率を調べたところで、ソフト指しを100%正確に判定することはできません。

ビデオ通話画面共有手元撮影が健全か?

いや、それでもできちゃいます(悪質なのでここでは言いません)。

ソフト指しはネットに限らず、リアルでも可能な行為であり、事例もあるわけです。それに、ソフトの研究手順が再現されたり、短手数で一直線に勝てた場合は、一致率は途轍もなく高くなります。

僕自身も、リアルの大会で一致率が80%を超えた経験があります。そして、その将棋は研究ではなく、その場で考えた光速の寄せでした。離席していたら疑われたかも?笑

人間・AIタッグ大会こそ健全

もう、人間・AIタッグの大会があってもいいんじゃないかと思います。将棋ウォーズも棋神を使えば健全な人間・AIタッグですが、棋神を使わないソフト指しが常に存在しています。

それに比べて、電竜戦の人間・AIタッグは健全すぎます笑。

フィッシャーのような短時間の将棋でソフト指しを許容にすれば、棋力の他にし、そして、不正のしようがないので、疑惑のない健全な勝負ができるのではないでしょうか?

それに、棋力だけでなくソフトを使いこなす力も必要になってくるので、幅広い棋力層が楽しめるのではないでしょうか?

将棋に限らず、プレイヤーがAIを活用ことは禁止するのではなく、むしろ促進されるべきではないでしょうか?ポケモンバトルだって、ダメージ計算機を使うことはバレようがないので禁止されていませんし、ガチな人は使ってます。

人間とAIが相互補完することをゲームで実践していくようになれば、生活と仕事におけるAIとの共存に関するヒントが得られるのではないでしょうか?

将棋ソフトを活用して強くなろう!

僕自身は、将棋の勉強にAIを導入することによって、実績を大きく伸ばすことができました(大会の対局中には使ってません笑)。

今や、序盤研究や棋譜解析でソフトを使うことは当たり前のようになっています。人間が行うよりも遥かに正確で速いので、将棋の学習において生産性が高いことは言うまでもありません。トップ棋士の藤井二冠や豊島竜王はバリバリ使ってます。ただ、初級者は基礎を学んでからにしましょう。

プログラミングやITの知識がなくても、将棋ソフトを最低限、使いこなすことは難しくありません。これから将棋ソフトを使って勉強したい方は、我がYoutubeの再生リスト『将棋ソフトの有効活用』をご視聴ください。スマホだけでも簡単にできますよ!

そして、序盤研究も高いクオリティのものができます。興味のある方は、再生リスト『序盤ソフト研究』をご視聴ください。内容は高度で、大学将棋部や企業将棋部から高い評価を頂いております。

最後までご精読ありがとうございました!

【角換わり腰掛け銀】角を設置する形での知っトク手順

角換わり腰掛け銀で、あそこに角を設置する形はよく見られます。設置する側、される側でうまい攻め方を紹介します。実戦に多く現れる形ですので、最後まで読むと勝率が上がることでしょう。

※先手の指し手は赤字、後手の指し手は青字

では、角を設置する側の指し方を解説していきます!

①角銀交換で猛攻 part1

図1 △44歩まで

図は4四歩と仕掛けた局面です。同歩で一歩交換を甘受するのが自然に見えますが、ここでは、意表の攻めがあります。

24歩と突き、角銀交換からじっと飛車を引いておきます。

 

 

図2 29飛まで

駒損でしかも手番を渡すのは抵抗があるかもしれません。しかし、次に52銀の打ち込みがありますね。例えば、45歩と取ると、52銀から金をむしり取って、45銀で駒損ながら相手陣が薄く先手優勢となります。

 

 

図3 45銀まで

次に43歩44歩で後手陣は崩壊です。33銀と補強しても35歩で攻めは続きます。

では、52銀を嫌って、図2から62金と指されたらどうなるのでしょうか?

 

 

図4 62金まで

35歩と、薄くなった3筋を攻めます。

黙って34歩と取り込まれては25桂からの猛攻に耐えられません。

同歩と取りますが、34銀が急所です。

 

図5 34銀まで

23銀成という単純な狙いです。

これを受けるならば、22玉24角ですが、44歩から45銀上とタテの猛攻で先手優勢となります。

とにかく、薄い玉が弱いばかりです。

 

②角銀交換で猛攻 part2

図6 33銀まで

今度は、4筋の交換を甘受しました。先ほどと違い、攻めの銀が2枚並んでいますね。

55銀左とぶつけます。64銀と出る手もありますので、55同銀同角と進みます。

 

 

図7 55同角まで

言うまでもなく、52銀が見えていますね。54金がぴったりの受けですが・・・

33角成!!!

ここでも、角銀で猛攻が決まります。

 

図8 33角成まで

同桂は桂頭が弱く、2筋と3筋を突き捨てて34銀と打てば後手陣は持ちません。

同金が勝りますが、35歩と突き、同歩44銀と絡めば先手ペースとなります。

 

 

図9 44銀まで

この銀打ちは守りの金に当たっており、取れば、56の銀と37の桂まで働きそうです。

やはり、33の銀を食いちぎってしまえば、後手陣は脆いですね。

攻め方も単純明快です。

 

以下は、角を設置される側の指し方です!

③角を設置されたら猛攻

図10 84角まで

右四間飛車に角を設置して、次に65歩から攻めたいのでしょう。

ときおり見かける構想ですが、この瞬間にイっちゃいます!

45桂と跳ねます。

 

 

図11 45桂まで

相手が力を溜め切ったところで、機敏に攻めるのが筋なのです。

22銀だけは71角で論外です。

44銀には、飛車先を交換してから、横歩を取ります。

 

 

図12 34飛まで

65歩の暇を与えない猛攻です。しかも、後手は歩切れなので受けにくいです。

なら、65歩と突いたらどう攻めるか?

24歩と打ちます。

 

図13 24歩まで

同歩は、23歩が厳しい攻めです。

33桂と飛車を遮断してきた場合には、1筋で香を突っ走ってから14角と打ちます。

 

 

図14 14角まで

24歩ぐらいですが、同飛で2筋突破が確定で優勢となります。

後手の溜め技が手遅れのようです。

では、図12のタイミングで33桂はどうでしょうか?

 

 

図15 33桂まで

これには、24歩と打ちます。

65歩と突くと、先ほどの変化と合流します。つまり、黙っていれば14角の筋が厳しいのです。

同歩と取るぐらいですが、飛車を28まで戻しておいて、3筋を伸ばせば優勢です。

 

図16 35歩まで

狙いは34歩から、33に何かをぶちこむことです。

45桂なら、銀桂交換の後に34歩ぐらいで優勢です。

やはり、後手陣は33の銀が消える崩壊するんです

 

 

④角を設置されたら角頭攻め!

図17 64角まで

後手から角を設置する形で、84歩型も生かせそうです。

46の歩が取られそうですね。47金などは、73桂から理想形に組まれ、先手からの打開は容易ではありません。

ここは、6歩と反発していきます。

 

図18 66歩まで

同歩か、単に②46角か、順番に解説していきます。

同歩は、同銀46角47金73角75歩が一例です。

最後は77桂もあり、先手が抑え込む展開です。

手厚い棋風の人にはおすすめの手順です。

 

図19 75歩まで

同歩同銀で角がいじめられるので、62飛でしょうか。

65歩と守るか、強く74歩でいい勝負ですね。

以上が、図18から同歩46角の変化でした。

では、単に②46角を見ていきましょう。

 

図20 46角まで

ここからは簡単でしょう。

47金から65歩と厚みを築きます。

基本的に、序盤で角を打たれた場合は、働かせないようにいじめる方針で進めます。

 

図21 65歩まで

駒の損得がなくて、角を使わせた上に6筋が手厚いです。

62飛にも66銀で、先手満足の展開です。

以上が、64角に対する66歩の反発でした。

おとなしく47金と上がると、73桂から理想形に組まれて打開困難ですので、ぜひお試しくださいね!

 

今回は以上となります。ご精読ありがとうございました!

また次の記事でお会いしましょう!

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【プロ棋士にも快勝!】三間飛車対策 後手番でも強気に応戦

プロ棋士の三間飛車に研究をぶつける

久しぶりの某研究会で、プロ棋士の先生に教わりました。戦型は、相手の三間飛車に対して対振り持久戦を採用しました。三間飛車対策の研究が炸裂したのでブログにアウトプットすることにしました。

これまで、研究動画ウォーズ実況三間飛車対策を数多く披露してきました。

特に参考になるのは、対振り持久戦を体系化した動画でしょうか。

実戦なら、以下のウォーズ実況動画がおすすめでしょうか。初手から終局まで音声字幕で解説しています。

動画では居飛車側が先手番になっていますが、今回はプロ棋士の先手三間飛車に挑むことになりました。先後逆になると、1手の違いで同じ手順が成立したいこともざらにあるもので・・・

それでも、同じ手順が通った!!!

※指し手は赤字本譜で、青字変化になります。

さて、仕掛けの局面からいきましょう。対振り持久戦で22玉と寄った局面です。

実戦は、56銀44歩75歩と進みました。44歩では、44銀もあるところです。

三間飛車側は居飛車穴熊に組まれるのを嫌って、本譜のように揺さぶる進行が多いように思います。65銀から74歩と積極的に動く構想ですね。特に、後手陣に離れ駒ができているところが、先手番としてのメリットです。

それでも、64銀59角42角と従来の手順を採用しました。

先手は黙っていると、75の歩がタダで取られてしまします。先手の手を強制できており、一直線で誘導しやすい変化なのです。74歩同歩同飛73歩78飛75銀と進みました。

後手陣の離れ駒を見て先手から動いたものの、まるで後手から仕掛けたかのような局面になっています。そして、先手の銀の進出より早く攻められます。8筋の攻めは受け止められないので、誤魔化しにいきます。

65歩86歩同歩同銀64歩と進み、選択肢を与えてきました。

迷ったときは、取る手から読むようにしています。

同歩は角道が止まってしまう。

同角74歩65銀がうるさい。

63にと金を作られても、89に飛車を成れたほうが攻めとしては厳しそうだな。87銀不成と指しました。

今度は、先手が悩む番です。飛車をどこに逃げるか。対局中は68飛が読み筋でした。対する予定は64歩で、先手から嫌な攻めはなく、後手は8筋を突破できそうなので指しやすいと思っていました。77飛79飛88銀不成で桂香が拾えそうです。

実戦は予想外で、75飛64角65飛76銀不成64飛同歩43角と進みました。

75飛はありがたく、手順に歩を払って飛車当たりなので優勢を意識しました。最後の43角は、後手陣が締まっていないがために生じた手です。しかし、これは誘いの隙と言いたいところです。もし、32金が入っていれば、75飛にかえて68飛と指しそうです。

43角は6一の金に当たっています。52金右と角に当てれば、54角成76馬で、銀を取りつつ馬は攻守に利いています(それでも自信あり)。

6一の金なんてニートだし、馬をそっぽに走らせるぐらい仕事してくれたら・・・

実戦は、89飛成61角成66桂と攻め合いを選択しました。

先手は美濃囲いですが、39玉型なので横攻めに弱い形です。先手は攻め駒が馬と持ち駒の金しかありません。その状況で一方的に攻められる形になってしまいました。

48金寄と逃げましたが、69飛と二丁飛車で攻めていきます。

ここまで読んでて、後手が楽勝の展開と思いましたか?いや、そんなことありません。

ソフトの評価値は-500程度で、後手有利といったところなんです

しかも、相手はプロ棋士なので、勝ち切るのは容易ではありません。

 

初手から終局までの棋譜ファイルを作成しました。

解説コメント・評価値推移・変化手順など、学習内容が充実しています。

参考↓↓↓

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最後までご精読ありがとうございました。YouTubeでも発信しているので、ぜひご視聴ください。

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【正棋会体験記】角換わり4五桂は確実に防げます

5000円を悔やんできちんと反省する

正棋会とは、月1回行われる例会で、3つのクラス(A1・A2・B)に分かれています。私はA1クラスで、奨励会員やアマ強豪という錚々たるメンバーが揃っています。

この日は関西奨励会と日程が重なっていたこともあり、参加者数は少なめの13人でした。形式としては、20分30秒で5局指します。賞金は勝で1万円4勝で5000円と、強い人たちと指せて、勝てばお金までついてきます。

この日は朝イチの対局で惜しくも負けてしまったものの、そこから4連勝して賞金5000円を獲得しました。1局目を勝っていれば倍額もらえたのに…。

負けた将棋こそ得られる知見があるんです

公式戦でもないし、こういった例会や研究会では、賞金よりも学びが大切です。勝った将棋にも面白い奇襲があったので、解説していきます。

※本譜は赤字、変化は青字で示していきます。

①角換わり4五桂対策 後手早繰り銀

まずは、朝イチの敗戦から。本局は、角換わり4五桂の優秀な対策を採用しました。そもそも、角換わり4五桂の速攻とは何か?

図から、4五桂3五歩〜4五桂も、後手がうまく対応すれば無理気味というイメージです。詳しくは、研究動画をご視聴ください。

ところが、YouTuberのショーダンさんが1筋の交換を入れた形で、非常に参考になる攻めを公開されています。

図から、3五歩、同歩、4五桂、2二銀、1五歩と仕掛けるそうです。詳しくは以下の動画をご視聴ください。

勝ちやすい誘導しやすい攻めまくるという非常に優秀な作戦です。後手を持って苦労している人が多いのではないでしょうか?実はこの4五桂速攻を確実に回避する構想があります。

 

正棋会の1局目では、先手のKさんが4五桂速攻を狙ってきましたが、用意の回避作戦を採用しました。

前の図で5二金と上がり、4五桂の速攻を無効にしました

ただ、6二金・8一飛の形に組むことができません。後手早繰り銀を採用すればいいんです。先手は3七桂を早く決めているので、左辺の厚みで早繰り銀を押し返すことが困難です。先手は右玉に組むぐらいで、主導権が後手に移りやすいのです。

 

しばらく進んで、序盤の勝負所を迎えました。

 

 

 

 

 

 

9六歩はよく分かりませんが、5九飛と回られたところで5五歩と位を取ってくるのが見えています。それを嫌って、5四歩と突きました。ただ、結論から言うと、この手は実戦的に非推奨で、42金右が無難でした。というのも、5五歩を突かれても7四角が好手で、以下、2八玉、1二香から穴熊に組んで後手十分なのです。

 

本譜は5四歩に対し、4五歩と機敏に動いてきました。

手厚く4三金右もありますが、本譜は強気に同歩と取りました。以下、同桂、4四銀、7一角と進みます。

これ、飛車銀両取りで終わってるのでは・・・

 

いえ、読み筋です。ここで、飛車取りに構わず4五銀と桂を取りました。

8二角成ならば、4六歩~3六銀と出れば、5九の飛車も壁になって後手優勢となります。右玉は薄いので、このような大駒を見捨てた攻めが厳しいのです。

本譜は、飛車を取らずに4六歩と守りました。以下、7二飛、4四角成、3三金、4五歩、4四金、同歩、5三金、4五金と進み、右辺の制圧勝負となりました。

形勢は互角ですが、実戦的には先手持ちの人が多数派かと思います。将棋は玉が安定していて攻めるほうが勝ちやすいですからね。ここで悩んだ挙げ句、疑問手を指してしまいました。正着は何だったのでしょうか?

次の一手

しばらく進んで、チャンスが到来です。

ある手を指せば、後手が有望な展開です。その手とは???

本譜はその手を逃しました・・・

 

初手から終局までの棋譜ファイルを作成しました。

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②意表の奇襲で短手数の終局!

賞金のかかった5局目は、奇襲が炸裂して短手数の終局となりました。戦型はMさん先手の嬉野流に対して、棒銀で挑みました。図と符合は便宜上、先後逆で掲載します。

図は、奇襲が炸裂する前の局面です。

相手はなぜか壁形になっています。これは、棒銀を受けるために2二金、3二玉と構えたからです。ここから、壁形を咎めていきます。

実戦は、4八飛と回りました。それに対し、こちらの居玉を見て8六歩と打ってきました。

 

こんなん、取る一手やろ・・・

 

いや、奇襲を決行したんです。攻めるなら、4四歩、同歩までは簡単です。そこで、同銀でうまくいきそうですが、4三歩、同銀成、同金、4四歩、5三金、4三銀、4一玉で空振りです。

本譜は4四同角と取りました。これが浮かびにくいですね。

次に41銀が厳しいので、4三歩と受けました。以下、6二角成、同飛、4四歩、同歩、同銀、4三歩、同銀成、同金、4四歩、同金、同飛、4三歩4三銀4五飛が角取りと4四歩が残って大優勢)、5四飛と進んで勝勢となりました。

以下は粘られたものの、しっかり勝ち切りました。8六歩を緩手と見て鋭く踏み込んだのが勝因でした。

将棋仲間と食事会

この日は将棋仲間に久々に会えたこともあって、5人で食事会に行きました。そのうちのひとりは、僕に1敗を食らわして5000円を失わせた男なのであった。

K氏「3-2で賞金なかった。あなたに嫌がらせしただけw」

よくあることですね。K氏は僕に勝っても負けても賞金はありませんでしたが、僕の賞金妨害だけは果たしたようです。5人で雑談や棋譜検討など、充実しておりました。ただ、洗濯機の恨みは怖いですねえ。

 

最後までご精読ありがとうございました。YouTubeでも発信しているので、ぜひご視聴ください。

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【将棋ウォーズ】初級者は中飛車から学ぼう 囲いと攻めの基本

ゴキ中封じにゴキ中で快勝

3手目2五歩はゴキ中封じと言われていますが、それでもやっちゃいます。初級者にも分かりすい指し回し。中終盤の勝ち方も参考になれば幸いです。

関連動画

初級者おすすめ戦法 中飛車で高段者を瞬殺!?

 

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【将棋ウォーズ】九段に桂ピョンやったら追い詰めた!

7二銀を見たら桂ピョン狙おう!

角換わり4五桂ピョンの定番ともいえる参考棋譜です。跳ねた後も字幕解説で勉強していってね。

本局の関連動画

角換わり4五桂速攻対策
中飛車穴熊vs超速二枚銀
28連勝中の九段と2連戦! 角換わりのお勉強

 

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【将棋ウォーズ】耀龍四間飛車 両側を持って2局指した

斬新な四間飛車

藤井聡太に3連勝した男が編み出した、新時代の四間飛車を採用しました。居飛車と振り飛車、両方持って2局です。棋書もよかったら。

 

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【将棋ウォーズ】メガネなし高段対決 配置だけ認識できる!?

配置だけで認識できるのか?

リスナーのリクエストに応え、眼鏡なしで対局しました。しかも、相手は高段者。一手損角換わりの対早繰り銀の参考になるかと思います。

類似戦型の動画

一手損角換わりからの一歩得角換わり!?

 

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【将棋ウォーズ】シャドウバース全国準優勝者と将棋指した

シャドバの強豪が勝負を仕掛けてきた!

シャドウバースと将棋で、ともに全国準優勝の経験がある大物が現れました。しかも東大卒・・・

振り飛車の実戦解説になります。

 

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【将棋ウォーズ】初級者おすすめ戦法 中飛車で高段者を瞬殺!?

ゴキゲンな攻めで七段を退治!

中飛車は最初に覚えるべき戦法かと。初級者にも分かりやすい手順で、七段を3分もかけず倒します。攻め方は特に覚えていただきたいですね。

 

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